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静岡茶 生産・製造直売

 

茶の樹の話

   

茶の実



秋に受粉して直径5ミリ程度の大きさで冬を越します。

お茶は自家受粉しないので、これは当たり前の話ですが、実際に短一品種しか植わっていない地域では、茶の実は生らないと聞きます。



4月に入るころから肥大し始め、7月末〜8月初めには 誰が見ても茶の実と疑わない大きさになります。



殻は爪で簡単に剥けるくらいやわらかです。
中の実は茶色くなりはじめたところ



茶の花は雌しべの先が3本に分かれており、実は3個入りが基本です。

実生の茶園(一般に「在来」と呼ばれる雑種の茶園)が大半だった昔は3個入りをよく見かけましたが、現在の茶園のように、品種改良されたり、選りすぐられた「品種もの」の茶園では、1個や2個入りのものがほとんどで、このような3個入りはたまに見かける程度です。



この写真は庭木にしている樹ですが、10月半ば、花と茶の実が同時にみられます。
殻はかなり硬化しており、はやいものはもう割れはじめています。



殻が割れて落ちる寸前。




茶の実を蒔く

お茶は自家受粉しない(同じ品種同士は受粉しない)ので発芽してみないとどんな樹になるのかわかりません。

たとえばやぶきたの場合、性質が似ているものは2〜3割しか出ないと言われています。

ちなみに、在来と呼ばれているものは実生を栽培した所謂「雑種」で、品種登録されたもののように、一本一本が安定した同じ性質を持っているものではありません。

1)茶の実の採取
秋に完熟した殻の割れたものを採取する。
注意
乾燥してしまうと発芽率が極端に落ちる(ほとんど発芽しない)ので、地面に落ちたものは落ちた直後のものだけにする必要があるが、実際にはいつ落ちたかわからないので、落ちそうなものを採るか軽いものは避けるようにする。

2)蒔く時期
暖かいところならできるだけ早く蒔く。
寒冷地では春まで土中などで保存し、3月下旬から4月上旬に蒔く。
(4月を越すと発芽率が極端に落ちるので注意)
暖地でも春になってから蒔いても大丈夫だが、この場合は、種が動き始めるので3月上旬に蒔くことが必要。

3)用土と蒔き方
鉢植えの場合、用土は赤玉土が一般的(保・排水良く)。
蒔く前に茶の実を水に浸し、そのまま2〜3日置いてから蒔くようにするが、このとき浮いたものは除くこと。

3)発芽後
露地栽培では6月くらいに発芽する。
発芽後は良く日に当て、水を切らさないよう、また、過湿にならないように管理し、1年間は鋏をいれずに育てる。

株面を弧状にして新芽の収穫を楽しむのであれば、一回目の剪定は、春暖かくなったころ、枝が横に広がるように3節くらい残した低いところで行う。